2009年12月15日

おすすめな本:クジラは潮を吹いていた。

写真は、僕の大好きなグラフィックデザイナー・佐藤卓さんの著本です。佐藤さんが"佐藤卓論"が書かれています。
 
090810-02.jpg高い評価のデザインを創作するデザイナーは皆個性が強いものです。それぞれのデザインへの持論も百花繚乱に近いです。でも表現やテーマは違って、それぞれの持論は実務を通じて発見したもの...デザイナーとは、まるで多くの臨床の上に成り立つ医学にも通じます。
 
この佐藤卓さんの持論に、大変共鳴できる一文があります、それは次の通り...
 
〜多くの人が関わり多くの意見を汲み入れる事はデザインで最も大切なことであるが、『デザインの決定においては民主主義はあり得ない』

・・・・・・・・

佐藤卓さんの『クジラは潮を吹いていた。』と言う著本の中の逸話にこんなテーマがある。

〜多くの人がデザインに参加して、それなりに仕上げたデザインで成功したためしがない〜...と佐藤氏は言い切る。
 
一見、市場原理や消費者の意見を無視したかのようなこのメッセージは裏側を読まなければならない。
 
商品やサービスを消費者の琴線に応えるようなデザイン戦略は当然の事とした上で、要はデザインを開発する側の多様が問題だと言っている。
製品などの開発部署にとどまらず、責任をとらない、とれないような部門の人間がデザインに口をはさむことは、骨のある、コンセプトの芯があるデザインをあやふやにしてしまうのだと理解した。それだけ、デザインを開発する物は一心不乱にそのメッセージをとぎすませているのだ。部外者がその濃密な戦略に口を出せば、結果はおのずと見えてしまう。
 
090811-01.jpg実際、佐藤卓さんが手がけた仕事の中で、僕なりに最高傑作のひとつだと思っている仕事がある。それは、ロッテのキシリトールガムだ。いち早く"虫歯なならない甘味料キシリトール"という成分に注目し、それを商標として確保していた会社にも先見の明があるが、そのデザインとしてキシリトール=ロッテガム...という確然たるブランディングへ成長させたのは、あのデザインの力によるものだ。
 
デザインには、『変える(捨て去る)勇気』よりも、時として『変えない(育てる)勇気』のほうが良い場合が多い。

佐藤卓さんの『クジラは潮を吹いていた。』と言う著本、これはおすすめです!



posted by mi at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする